「検視調書」「死体検案調書」「司法解剖鑑定書」を下に示す。
久保氏は、頭が助手席の下に入る形で発見されたため、死斑により顔は赤黒く充血していた。
ところが、「検視調書」「死体検案調書」「司法解剖鑑定書」のいずれも、「顔面蒼白」などと書かれている。
また、「検視調書」には、フェンダーの凹み等、車両の破損状況が書かれているのに、「フロントガラスのひび割れ」の記載がない。
死斑の発現状況は、死亡推定時刻を割り出す重要尺度の一つであり、フロントガラスのひび割れは、久保氏の直接の死因に係わる重要ファクターである。
そのように重要な部分で誤認・欠落のある文書に、筆者は、いかなる証拠能力も見出すことができない。
(注:これらの書類はサイズが大きいので、半分ずつスキャナで読み込み、真ん中を境に一つに合成し直した。)
検視調書【乙A35】 | |
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死体検案調書【乙A37/甲16】 | |
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司法解剖鑑定書【乙A38】 | |
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久保氏は、頭部を助手席に埋め、背中をギアボックスに当て、両足を運転席下に入れた逆えびのような姿勢で死亡したため、頭から顔、頚部にかけて死斑による充血で真っ赤であった。 そのことは、市民病院で被告斉藤巡査部長が撮影した「写真撮影報告書」(乙A第3号証)が雄弁に物語っている。(ご遺体のため、HPに掲載できません。よって、筆者が確認できた死斑の範囲を、下図に示します。)(注:死斑とは、血液を送り出すポンプである心臓が停止したため、血液が重力により体の低い方に沈下する現象をいう。色調は通常、紫赤色〜暗紫色を呈する。) [海外サイトにある死斑の例]
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